知的財産権講座第168回:デザインを保護したいという相談

デザインの保護(意匠)

まず、一般の人が勘違いしやすい点について

質問
デジタルカメラのバッテリーの模倣品に
頭を悩ませています。
そのデザインについて意匠権を取っていません。
どのように対策したらよいでしょうか?

私の業務上にも絡む問題です。

デジタルカメラのバッテリーの模倣品について
意匠権を取っていなくても、不正競争防止法
により保護される場合があります。

 

不正競争防止法とは、簡単に言えば適正な競争市場
を確保するために、市場を混乱させるような
違法行為を取り締まるための法律です。

以下のような一定の行為が不正競争行為とされ
禁止されます。

「デザインに関連する規定」です。

特定の企業の商品であることを示す表示として
機能するようになったデザインの商品を販売等
する行為(不正競争防止法2条1項1号)

他人の商品の形態を模倣した商品を販売等
する行為(不正競争防止法2条1項3号)

確かに不正競争防止法で、模倣品のデザイン
を違法として取り締まることはできます。

 

しかし、模倣品が違法であることを
正規のバッテリーを製造・販売する側が
証明しなれければなりません。

また企業の努力により特定の企業の
商品として機能するようになった
デザインであるということを
証明しなければなりません。

これらを証明することは簡単では
ありません。

したがって不正競争防止法では実際には、
素早い対策は困難な場合が多いです。

やはりデザインについて意匠権を取っておく方
が良いです。

意匠権を取ってあれば、意匠権の侵害として
違法行為を止めることができるからです。

その場合、意匠権者側の保護を手厚くする規定が
あるからです。

 

関連記事

  1. 新しい分野にチャレンジする
  2. 知的財産権講座第144回:知っておくと役立つ特許の話
  3. 知的財産権講座第107回:座談会の内容の著作者は誰か?
  4. 知的財産権講座第207回:特許権の活用
  5. 知的財産権講座第284回:知財検定からスタートしましょう
  6. 知的財産権講座第242回:スマートフォンの外形デザインは著作物で…
  7. 知的財産権講座第314回:知的財産権の流通を支援する
  8. 知的財産権講座第135回:楽しく学ぶ著作権・問題編

最近の記事

PAGE TOP