知的財産権講座第167回:デザインを保護したいという相談
デザインの保護(意匠)
まず、一般の人が勘違いしやすい点について
質問
新しいカメラのデザインをデザイン事務所に
依頼したのですが、そのデザインは著作権
でも保護されますか
デザインだから著作権でも保護される
と思いがちですが、
×誤りです。
この場合は、カメラという物品の外観に
関するデザインですので意匠権で保護されます。
ごく簡単に言えば、カメラのデザインのわかる
図面を書いて特許庁に意匠出願をします。
特許庁で、審査がなされ適切ならば意匠権が
与えらまれます。
あのカメラのデザイン素敵だ
ということで、今度はA社のカメラを買おう
ということもあります。
デザインに付加価値があるものが保護される
という訳です。
意匠権=工業デザインと原則としてイメージ
しておけばよいです。
しかしその例外があります。
例えば、「博多人形」です。
人形のデザインは著作権で保護されます。
しかし人形は、工房で工業的に制作される
場合があります。
したがって、著作権で保護されると同時に
意匠権でも保護されます。
いわゆる応用美術は意匠権で保護されると
同時に著作権でも保護されます。
芸術工芸的価値としての美術性が備わっている
ものについては、その著作物性を否定すべきで
はないとした判例があります(「博多人形事件 」)。