知的財産権講座第135回:楽しく学ぶ著作権・問題編

「楽しく学ぶ著作権・問題編」
知財検定2級レベルの問題を
元に解説していきます。
知財検定を受験されない方でも、
著作権法のポイントについて、
理解していただけると思います。
013年7月28日実施の第15回より
2級学科試験
問32:
ア~エを比較して、著作隣接権に関する記述
として、
最も適切と考えられるものは、どれか。
ア 実演家の権利は、プロの実演家のみ認められ、
素人(アマチュア)には認められない。
イ 放送事業者には、著作隣接権は認められない。
ウ レコード製作者とは、レコードに固定されている
音を最初に固定した者をいう。
エ 実演家は、実演に関する公表権を有する。
正解は、ウ ○
解説は、
間違いやすい、勘違いしやい点を
私の言葉で書いています。
ご承知おきください。
アは×
アの問題文で、注意すべきは、
「プロの実演家のみ」と、
限定している点です。
のみを問われたら、そうだろうか
と自分に問い直すことが重要です。
小学生の素人の書いた絵だって、
アマチュアのあなたが書いた
うまくは無い絵だって、立派な
著作物です。
イは×
放送事業者=例えばNHKさん、
TVで歌謡曲など著作物を放送して、
「文化の発展」に寄与しています。
著作物は、利用されなければ、
意味がありません。
重要な役割を果たしている放送事業者
に著作隣接権を認めています。
著作隣接権については、別途紹介します。
ウは、○
レコード製作者は、最初に曲をマスター
テープに録音した者です。
正解です。
レコード製作者にも、著作隣接権を
認めています。
理由は、イの放送事業者と同じです。
エは、×
実演家とは、歌手や舞踏家などです。
実演家にも、著作隣接権を
認めています。
理由は、イの放送事業者と同じです。
しかし、実演家=歌手は人前で歌うことで
初めて「文化の発展」のためになります。
自宅で、密かに歌うだけでは、「文化の発展」
に寄与しません。
したがって、実演の公表権すなわち、
公表するかしないかを決める権利は
有りません。
そもそも、実演家は、実演を公表する
ことが前提だからです。
最後に、著作隣接権を有する者は、
以下の4者です。
①実演家
②レコード製作者
③放送事業者
④有線放送事業者
この点は、基本です。