知的財産権講座第165回:知っておくと役立つ特許の話
他人から特許権を侵害されたとラブレターが届いた
どうすればよいのか
登録前の特許出願に基づいて警告を受けた場合
出願公開されただけで、特許登録されていない特許出願
に基づいて警告を受けることがあります。
補償金請求権の行使の条件を満たすためです。
ここで、補償金請求権について、
説明します。
特許出願は、原則として全て公開されます。
特許法は、産業の発達を図ることが目的です。
公開された特許出願情報を元に
新たな発明が生まれることがあるからです。
一方で、特許出願をした人は、
情報を公開した代わりというか、
特許権という独占権を得ることができます。
特許出願は公開されると、誰でも特許出願の
内容を実施できます。
簡単にマネすることもできます。
これを、特許出願人は、だまって見過ごすしか
ないのでしょうか
これでは、特許出願をしようとする意欲も
無くなります。
そこで、特許出願人の保護も法は考えました。
それが、補償金請求権です。
特許権を取得した後に、特許出願を実施した
人に補償金を請求できる権利です。
特許取得前ですので、補償金請求権
を行使するためには、相手に警告をする
ことが条件となります。
結論から言えば、特許登録されなければ、
補償金請求権の行使はできません。
あわてることなく警告を受けた特許出願が、特許登録
されるかどうかを見守る必要があります。
この検討について、特許権の侵害について、
学べるよいテーマです。
また、知財の実務でも重要な仕事です。