知的財産権講座第62回:新規性が失われた場合の例外
新規性が失われた場合の例外
特許を受けるためには、発明は新しいもの
でなければなりません(新規性)。
しかし、例外規定があります。
新規性の喪失の例外(特許法30条)の規定です。
以下、解説します。
発明の内容を、学会で発表する。
発明の内容を含む新製品を展示会で公表する。
これらの行為は、産業の発達に役立ちますね
ふつうで言えば、発明の内容を学会で発表
したことにより、新規性が失われますが、
これらの行為の後で、一定の手続をすれば、
新規性が失われなかったものとされます。
新規性の喪失の例外(特許法30条)の規定
の適用を受けようとする場合は、
その旨を記載した書面と、規定の適用を受けられる
発明である証明書を特許出願日から30日
以内に提出しなければなりません。
例外規定なので、発明の範囲が学会などで発表
した内容と同一のものと限定されてしまい
、後で補正しにくいなど問題がある場合も
多いです。
したがって、実務では、この例外規定は使わず、
学会などで発表する前に、その発明を特許出願
します。
発表前に、その発明の特許出願が間に合わなかった
場合の「保険」のような規定だと思います。