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知的財産権講座第50回:商標権

知財検定2級実技試験の問題より知財戦略の実務に近い出題です。

私が実際に仕事で出くわすような話ですね。

最新の知財検定2級実技試験(2015年7月12日実施)より、
商標法の問題です。

ウイスキー,ブランデーを製造販売するX社は,著名ブランド
である登録商標「Lion」, 指定商品「ウイスキー,ぶどう酒」
に係る商標権Aを有している。

ぶどう酒を製造販売するY社は,X社に対して商標権Aの
一部譲渡を申し入れた。

X社はY社への商標権Aに係る指定商品「ぶどう酒」の移転を
承諾し,移転登録の手続の完了を経て,Y社は登録商標「Lion」,
指定商品「ぶどう酒」に係る商標権Bを有することとなった。

これに関して,X社の知的財産 部の部員甲が発言1~3を
している。

なお,登録商標「Lion」は,標準文字で記載され,
また,「ウイスキー」,「ブランデー」,「ぶどう酒」は
相互に類似する商品である。

発言2について,適切と考えられるか?
その理由は?

発言2
「Y社が登録商標『Lion』をウイスキーに付し,
当該商標の著名ブランド力にただ乗りして当該ウイスキーを
販売したところ,わが社とY社との間で誤認混同が生じました。
この場合に,商標権Bに係る商標登録は
取り消されることがあります。」

●正解は、○ 適切です。

●理由は、
イ X社の使用行為は,商標権Bの禁止権の範囲内での使用であり,
商標権Bを侵害するため

実は、出題では、理由については、選択肢の中から
選ぶ形式になっています。

●まず、この問題では、
商標権の効力がどこまでか?
ということが、正解を導くポイントになります。

商標権の効力には、「専用権」と「禁止権」があります。

「専用権」は、登録商標を独占して使用できるという
ものです。

「専用権」は、独占的効力であり、第三者は商標権の
許諾なく登録商標を使用すると商標権の
侵害となります。

「禁止権」は、登録商標に類似した範囲の第三者の
使用行為を侵害とみなすものです。

登録商標と間違えてしまう範囲も、
商標の誤認を防ぎ、市場の混乱を防止しよう
という趣旨からです。

商標法は、商標に化体した業務上の信用を
保護することが目的だからです。

●この問題では、
商標の著名ブランド力にただ乗りして当該ウイスキーを
販売したところ,わが社とY社との間で誤認混同が生じました。

そもそも、Y社は、登録商標「Lion」,指定商品「ぶどう酒」に
係る商標権Bを有するのであり、指定商品「ウイスキー」
についての商標権は有していません。

Y社は、X社の著名ブランド力にただ乗りして
ウイスキーを販売したことから登録商標の不正使用に
当たります。

この場合は、商標権Y社が登録商標をわざと誤認混同を
生じさせるような使用をしていますので、
「不正使用取消審判」により商標権Bは取り消される
ことがあります(51条)。

商標権の禁止権の範囲での、商標の誤認を防ぎ、
市場の混乱を防止しようという趣旨からです。

不正な使用に対する制裁のための規定と
考えれられます。

商標権の移転により登録商標を獲得した者は、
消費者などによる商標の誤認を防ぐ意味から
登録商標を正しく使用しなければなりません。

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