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知的財産権講座第51回:不正競争防止法

知財検定2級実技試験の問題より知財戦略の実務に近い出題です。

私が実際に仕事で出くわすような話ですね。

最新の知財検定2級実技試験(2015年7月12日実施)より、
不正競争防止法の問題です。

X社が開発したゲーム機Aは,違法にコピーされたゲームソフトを
実行できないようにするための技術的制限手段Bを備えている。
技術的制限手段Bを妨害して,違法にコピーされたゲームソフトを
ゲーム機Aで実行するための装置Cに関して,X社の法務部の
部員甲が不正競争防止法による対応を検討している

以下の発言について,適切と考えられるか?

「装置Cの販売が不正競争行為に該当するといえれば,
わが社は損害賠償請求はできますが, 不正競争防止法の規定に
基づいて販売の差止めを求めることはできず,装置Cの廃棄等の
請求もできません。」

●正解は、× 不適切です。

不正競争防止法は、事業者間の競争が行きすぎることで
不正な競争が行われることを防止するものです。
これにより社会的秩序を維持することが目的です。

一方で、
知的財産権は、特許法、商標法などで保護されますが、
保護を受けるためには、出願し審査を受け、登録
という手続を経なければなりません。

不正競争防止法は、このような登録を受けなくても
一定の不正な競争行為を規律しているという
点で、特許法、商標法などの知的財産権法と
異なります。

●この問題では、
「技術的制限手段Bを妨害して,違法にコピーされた
ゲームソフトをゲーム機Aで実行するための装置C」は、
他人の商品の形態を模倣して、そっくりの商品を売るなどの
行為(不正競争防止法2条1項3号):
形態模倣行為

として、制限されます。

ここで、不正競争防止法による不正競争行為に
対する制裁は、
不正競争によって、営業上の利益を侵害され、または
侵害されるおそれがある者は、「侵害の停止または
予防」を請求することができます(不正競争防止法3条)。

この問題では、
装置Cの販売の差止めを求めることはできますし、
装置Cの廃棄等の請求もできます。

●このように確かに、不正競争行為は、不正競争防止法により
被害者(知的財産権を侵害された者)は
救済を受けることができます。

しかし、一般的には、不正競争防止法により被害者が救済を
受けることは、難しい面があります。

不正競争行為に当たる行為であることを、
被害者(知的財産権を侵害された者)が
立証しなければなりません。

一方で、特許法、商標法などの知的財産権法は
加害者(知的財産権の侵害者)に、過失が
あったことが推定されます。

やはり、特許法、商標法などの知的財産権法
により登録を受けておく方が、目にみえない
無体財産権である知的財産権の保護を
図るためには確実といえます。

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