知的財産権講座第26回:著作権の利用
2013年11月24日実施の知的財産管理技能検定第16回より2級実技試験
X社の法務部員甲は、コンテンツの利用方法について発言1~3をしている。
発言1~3について、適切と考えられるか。
発言1 「コンテンツAは、わが社の社長を撮影した写真です。会社の
パンフレットに掲載するために撮影したのですが、社長の後ろに
画家乙が描いた絵画の一部分が小さく写り込んでいました。
この写真を会社のパンフレットに撮影するためには、乙の許諾を
得る必要があります。」
正解は、×
理由を一言でいえば、著作物ではあるが、著作権が制限される場合に
あたるため。
この問題のポイントは、
社長の後ろに「画家乙が描いた絵画の一部分が小さく写り込んでいました」
これが、画家乙の絵画の著作権を侵害するかどうか?
画家乙の絵画の著作権を侵害していれば、乙の許諾を得る必要があります。
画家乙が描いた絵画の一部分が小さく写り込んでいる社の写真は
著作物です。
もちろん、画家乙が描いた絵画の一部分が小さく写り込んでいる写真も
著作物です。
しかし、この場合、社長の写真がメインであり、画家乙が描いた絵画は
その一部でしかありません。
そのまま、画家乙が描いた絵画のコピーではありません。
あくまで、絵画は背景にしかすぎません。
著作物は、引用が認められます。
この場合は、著作権の侵害にはあたりません。
なお他人の文章を、引用する場合には、その文章の出所を表示する必要が
あります。