知的財産権講座第27回:著作権の利用
2013年11月24日実施の知的財産管理技能検定第16回より2級実技試験
X社の法務部員甲は、コンテンツの利用方法について発言1~3をしている。
発言1~3について、適切と考えられるか。
発言2 「コンテンツBは、山登りが趣味の同僚丙が日本百名山の名前と標高を
一覧にしたデータに、同僚丁がそれぞれの山に登ったときの感想と写真
を付けくわえたものです。とても興味深いので私のブログに掲載したい
のですが、この場合、丁だけでなく丙の許諾も得る必要があります。」
正解は、×
理由を一言でいえば、著作権法の保護対象とならないため
この問題のポイントは、
日本百名山の名前と標高を一覧にしたデータが、著作権法の保護対象となるか?
というところです。
著作権法は、「著作物」を保護する法律です。
「著作物」は、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文学、学術、
美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されています。
日本百名山の名前と標高を一覧にしたデータは、思想又は感情を創作的に表現
したものではありません。
事実を表したものにすぎません。
したがって、著作物にはあたりませんので、丙の許諾を得る必要はありません。
事実を表したもの、新聞記事は著作物でしょうか?
2014年7月1日に東北地方で地震がありましたとだけなら著作物とは言えないでしょう。
しかし新聞記事は、事件を報道するものですが、何らかの事情なり、解説がなされて
いるのがふつうです。
したがって、新聞記事は、ほとんどが著作物と考えられています。
そもそも、著作権法は何のためにあるのか?目的は?
と言うと、著作物を保護することで、文化の発展を図ることです。
問題の解答に迷ったら、この法の目的にまで立ち返って考えてみることも重要です。