知的財産権講座第19回:知財戦略
2013年11月24日実施の知的財産管理技能検定第16回より2級実技試験
新規事業への進出を検討しているX社では、知的財産戦略会議を開いた。
この新規事業は、X社が培ってきた重要技術Pを用いた製品Aを製造販売
することが中心の事業すぁる。ア~エを比較して、知的財産の部員の発言
として、適切であるか。
イ「競合会社であるZ社の新製品Bは、当社の製品Aと同じ機能を保有している
との噂です。当社は製品に使用している重要技術Pに関して、多数の特許権
を保有していますので、Z社の新製品Bは必ず当社のどれかの特許権を侵害
しているはずです。
Z社の新製品Bを販売している全国のスーパーマーケットにすぐに侵害警告書
を送付しましょう。」
正解は、×です。
まず、噂を簡単に信じてはいけません。
最初にやるべきことは、何でしょう。
競合会社であるZ社の新製品Bの調査です。
自社の特許権を侵害しているかどうかの分析をする必要があります。
自社の重要技術Pに関しての特許権の範囲にZ社の新製品Bが含まれていなければ、
侵害ではありません。
自分での判断だけで、不安がありなら特許権の範囲について、特許庁の判定を求める
なり、弁理士に鑑定を依頼した方がよいでしょう。
この場合、Z社にすぐに侵害警告書を送付して、特許権の侵害でないとなった場合
には、逆にZ社からX社は、相手の営業行為を不当に妨げたとして訴えられる
可能性もあります。
侵害警告書の送付は、あくまで慎重にしなければなりません。