知的財産権講座第131回:楽しく学ぶ著作権・問題編
「楽しく学ぶ著作権・問題編」
知財検定2級レベルの問題を
元に解説していきます。
知財検定を受験されない方でも、
著作権法のポイントについて、
理解していただけると思います。
2013年7月28日実施の第15回より
2級実技試験
出版社X社の法務部の部員は、コンテンツA~C
の利用方法について、発言している。
発言2
「このコンテンツBは、3人のファッション
デザイナーが「今後のファション業界」
というテーマのもとに開催された座談会で
した発言を、そのまま記録したものです。
このコンテンツBを複製するにあたっては、
3人のファッションデザイナーいずれの
許諾を得る必要はないよね。」
問15
発言2について、適切と考えられる場合は
「○」を、不適切と考えられる場合には
「×」を解答用紙に記入しなさい。
問16
問15において、適切又は不適切であると
判断した理由として、最も適切と考え
られるものを、「理由群Ⅳ」の中から
一つだけ選び、対応する記号を解答用紙
に記入しなさい。
「理由群Ⅳ」
ア 共同著作物にあたるため
イ 編集著作物にあたるため
ウ 二次的著作物にあたるため
エ 著作物の定義にあてはまらないため
正解は、
問15 ×
問16 ア
コンテンツBは、3人のファッション
デザイナーが座談会で発言したもの
ですから、発言は互いの発言に
応じたものと考えられます。
すなわち、3人のファッションデザイナー
が発言した部分を分離して利用できる
ものではありません。
著作権法2条1項12号は、共同著作物を定義し
保護しています。
共同著作物とは・・・座談会などのように、
2人以上の者が共同して創作した著作物であって、
その各人の寄与分を分離して個別的に利用する
ことができないもの。を言う。
したがって座談会の発言の記録は、
3人のファッションデザイナー
の共同著作物となります。
共同著作物を第三者が利用する場合は、
共有者全員の許諾が必要です。
では、
作詞家と作曲家が別である歌謡曲は、
共同著作物でしょうか
歌謡曲は、歌詞と曲は別の創作物です。
分離して利用できますので、
共同著作物ではありません。
この点も併せて、理解しておくと
よいと思います。