知的財産権講座第112回:デザインは未完成なのに無断で公表された!

デザインは未完成なのに無断で公表された!
著作権法の、これだけは知っておいた方が
よいポイントを紹介しています。
著作者人格権とは
この前の記事なんと無断でデザインを変更された!
と同じくデザイナーを例にして紹介します。
あなたは会社Pから、新しい商品の宣伝に使う
キャラクタとポスターのデザインを
依頼されました。
デザインの途中段階での作品をP社に送付しました。
あなたは、デザインは完成に近いものでしたが
納得がいかないので手直しをするつもりでした。
あなたは、その後のある日、イベントを訪れて、
驚きました
自分では未完成だと思っているデザイン
が発表されていました。
この場合、どう対応したらよいのでしょうか
あるいは、何を根拠にしたらよいのでしょうか
著作権の意に反して、第三者が著作物を
公表されると著作者を傷付けるでしょう。
しかし、あなたは著作者人格権を持っています。
著作者人格権に基づく主張ができます。
著作者人格権には、以下の3つがあります。
*著作権法を、以下は法と略します。
①公表権(法18条)
②氏名表示権(法19条)
③同一性保持権(法20条)
今回の事例では、①公表権で、あなたはP社に
権利を主張することができると考えらます。
公表権とは、著作者が著作物を公表するか
否か、公表する場合はその時期・方法を
決定できるというものです(法18条)
ただし、
未公表のデザイン(著作物)を譲渡した
場合は、公表に同意したものと
推定される(法18条2項)という規定が
あります。
未公表の著作物については、むやみに
第三者に渡さないとか注意が必要です。
実務では、契約を結ぶ際に、公表権について
しっかりと規定しておくことが必要です。
知的財産管理技能検定やビジネス著作権検定
でも、出題されるポイントです。