知的財産権講座第43回:商標権

知財検定2級実技試験の問題より知財戦略の実務に近い出題です。

私が実際に仕事で出くわすような話ですね。

あなたは商標登録を受けたら、その商標を使用いていないと
商標登録を取り消されるかもしれませんよ!
という話です。

商標は、使用してこそ保護する価値があり、我が国
の産業発展に貢献するというわけです。

使用していない登録商標は、保護の価値がない
ということです。

では、これに関連した問題を紹介しましょう。

甲は、洋菓子店を営んでおり、自分で
創作した洋菓子に「レ・タフェ・ボンジュール」
という名前を付けて販売していた。
ある日、X社から「レ・タフェ・ボンジュール」
はX社の登録商標であるため、商標の使用を
差し止める旨の警告を受けた。

甲が調査したところ、商標「レ・タフェ・ボンジュール」
は指定商品「洋菓子」のみについて確かにX社の
登録商標として登録されていたが、商標登録後
3年以上、X社は商標「レ・タフェ・ボンジュール」
を「洋菓子」に使用いていないことが判明した。

次の記述は適切でしょうか?

イ X社は、商標「レ・タフェ・ボンジュール」を継続
して日本国内で3年以上使用していなかったが、
X社から通常実施権の許諾を受けたY社が商標
「レ・タフェ・ボンジュール」を「洋菓子」に
継続して今まで使用していた。

この場合、甲は不使用取消審判によりX社の商標登録を
取り消すことができない。

正解は、正しい○です。

登録商標は、実際に使用していない場合には、不使用取消審判
により取り消される場合があります。

商標は、使用してこそ保護する財産価値があり、我が国
の産業発展に貢献するというわけです。

使用していない登録商標は、保護の価値がないからです。

不使用取消審判は、継続して3年以上日本国内で
商標権者等が、指定商品についての登録商標を使用していない
ときは、誰でもその指定商品に関する登録商標を取り消す
ことについての審判を請求できます。

ここで注意すべきは、「商標権者等」が使用していなければ
取り消されるということです。

「商標権者等」とは、通常実施権の許諾を受けた者
が含まれます。

通常実施権の許諾とは、登録商標を使用の
ライセンスを受けることです。

したがって、本問題の記述の、
X社から通常実施権の許諾を受けたY社が商標
「レ・タフェ・ボンジュール」を「洋菓子」に
継続して今まで使用していたわけですから、

甲は不使用取消審判によりX社の商標登録を
取り消すことができないことになります。

登録商標の使用者が誰であっても、使用さえ
されていれば、よいわけです。

登録商標を使用のライセンスを受ける場合とは、
例えば、自分の商品名と同じものが、すでに商標登録
されていたという場合です。

登録商標を使用のライセンスを受ければ、問題なく
その商品名を使用することができます。

ただし、この場合は、商標権者にライセンス料を
支払う契約をするのが普通です。

ライセンス料を、いくらにするのか、これが
ライセンス契約での、大きな問題となります。

今回は、登録商標の不使用取消審判の要件の一つの
「誰が登録商標の使用しているか」についてでした。

登録商標は、しっかり登録後に使用・管理をすることが
重要です。

そうしないと、せっかく登録商標を取得しても取り消される
場合もあります。
注意が必要です。

関連記事

  1. 開発技術者の時代を振り返る
  2. 知的財産権講座第192回:著作権法のポイント
  3. 知的財産権講座第77回:特許出願の拒絶査定が送付された場合
  4. 知的財産権講座第213回:登録商標の使用
  5. 新しい分野にチャレンジする
  6. 知的資産経営その2
  7. 知的財産権講座第303回:著作権を学ぶならビジネス著作権検定
  8. 知的財産権講座第283回:知的財産活用の助成金を利用する

最近の記事

PAGE TOP