知的財産権講座第28回:著作権の利用

著作権の利用
X社の法務部員甲は、コンテンツの利用方法について発言1~3をしている。
発言1~3について、適切と考えられるか。
発言3 「コンテンツCは、営業部の部員戌が自分の趣味に関する情報を掲載する
ブログを作成するため、自主的に著作権法上の注意事項をまとめた資料
です。とてもわかりやすいので、誰でも見ることができるように、わが社
のホームページに掲載したいと思います。法律に関する資料なので、戌に
許諾を得ることなくホームページに掲載することができます。」正解は、×
理由を一言でいえば、著作物であり、著作権を侵害する場合にあたるため
この問題のポイントは、
著作権法上の注意事項をまとめた資料が、著作権法の保護対象となるか?
というところです。
著作権法は、「著作物」を保護する法律です。
「著作物」は、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文学、学術、
美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されています。
著作権法そのものは、思想又は感情を創作的に表現したものではありません。
事実を表したものにすぎません。
したがって、著作物にはあたりませんので、戌の許諾を得る必要はありません。
しかし著作権法上の注意事項をまとめた資料は、とてもわかりやすいので、
ということで、戌の創作性が認められますので、著作物にあたります。
したがって戌の許諾を得る必要があります。
ここで、注意していただきたいことは、戌は自主的に著作権法上の注意事項を
まとめた資料を作成しているというを作成しているという点です。
会社の業務として、戌が著作権法上の注意事項をまとめた資料を作成している
なら、著作権法上の注意事項をまとめた資料の著作権は原則として会社に
属することになります。
いわゆる職務著作です。
この場合は、その会社の許諾を得る必要があります。