相続手続きの流れその18(遺産分割)

遺産分割でない財産を含めて分割してしまったら?
相続人の間で、遺産分割の協議をしても話し合いがまとまりました。
遺産の分割の話し合いが無事にまとまると一安心というところです。
しかし、遺産分割後にトラブルが生じることがあります。
遺産分割後に遺産でない財産を含めて分割してしまったことがわかりました。
その場合に、どうしたらよいかという問い合わせです。
以下の問い合わせをいただきました。
◆問い合わせ
遺産分割の協議の結果、分割した遺産のうち長男が相続した土地20坪
については、他の第三者が所有している土地であることがわかりました。
その代わりに、次男B、長女Cにそれぞれ1000万円ずつ支払います。
ところが、長男Aがこの遺産分割調停に違反して、お金を払ってくれません。
調停を解除できるでしょうか?
◆回答
遺産外の財産が遺産の大部分を占めた場合は、その分割は無効とします。
一方、遺産外の財産が遺産の一部分に過ぎない場合は、その分割は一応有効とするのが一般的です。
遺産外の土地を取得した長男Aは、もし、その土地が遺産の大部分を占める場合は、その分割は無効であるとして、他の相続人に対して、遺産分割協議のやり直しを求めます。
その土地が遺産の一部分に過ぎない場合は、遺産に法律上の欠陥があったとして、他の相続人に対して欠陥を補う責任を求めることができます。
すなわち、相続人全員が公平になるように不足分を補ってくれるように求めることができます。
遺産分割の際の遺産を明らかにしておきましょう
遺産分割の内容を決める際には、どの財産、いくら、誰に遺贈するかを明確にしなければなりません。
そこで、財産のありかを明確にしておきます。
財産目録という形で、現金、銀行預金、株、債権、ゴルフ会員権、美術品、不動産などをできるだけ詳しく書き残しておきます。
この調査は、遺産分割協議の際に行っておきます。
遺産の調査を十分に行っておかないと、分割のやり直しということになり手間がかかることになりかねません。