知的財産権講座第13回:パリ条約
パリ条約
パリ条約の同盟国又は特許協力条約(PCT)の締約国である外国に、
特許出願する方法に関する記述として適切と考えられるか。
ウ 日本に特許出願した後は、外国に特許出願するにあたって、
パリ条約による優先権の主張を伴わなければならない。
ウは、×です。
パリ条約による優先権の主張は義務ではありません。
優先権の主張は、出願人にとってメリットがありますが、
主張するかどうかは、出願人の自由です。
では、優先権主張もメリットは、何でしょうか?
例えば、日本から米国に特許出願する場合、特許制度は、
各国で異なりますから、米国の特許手続に従い、英語で
出願しなければなりません。
これは、出願人にとって、手続や時間の面でも費用の面でも
大きな負担となります。
そこで、日本で出願した1年以内に、後に米国で同じ出願を
した場合は、最初に日本で出願をしたものと同様の効果が
得られます。
この制度を優先権制度といいます。
日本で2月1日に特許出願をして、これに基づいて、優先権を
主張して同年8月1日に米国に出願をした場合は、米国での
出願に新規性があるかの判断は、2月1日で判断されること
になります。
実務では、このパリ条約の優先権制度を用いて
の特許出願をパリルートによる外国出願といい、
利用しています。