知的財産権講座第33回:著作権

知財検定2級実技試験の問題より著作権の出題です。

甲が著作物に関して発言をしている。ア~エの発言は適切と考えられるか。

イ「小説家である友人が、今度執筆する小説のアイデアを思いついたそうです。
この小説のアイデアは、著作物として保護されません。」

正解は、○

アイデア自体は、著作物ではないため保護されません。

著作物とは、「思想または感情」の表現であること
と著作権法で定義されています。
「思想または感情」とは、簡単に言えば作者自身の考えや思い
のことです。
芸術性や高度なものというわけでありません。

この場合のポイントは、「表現である」ということです。
作者自身の内部にあるアイデアは保護されません。

その点が、著作権が特許や意匠などの知的財産権と異なる点です。

さらにアイデアを書いた論文は、著作権として保護されます。
しかし、論文の内容、アイデアは著作権として保護されません。
注意が必要です。

アイデアが技術的なものなら特許としての保護を考えましょう。
アイデアが工業的なデザインなら意匠として保護を考えましょう。

小説のアイデアが、自分の独自なものであることを確実なものと
したいなら、アイデアを記録しておくことがよいです。

後で、誰のアイデアなのか?
他の人のアイデアのマネではないか?
という争いがあった場合に証拠となり得るからです。

公的にアイデアを記録として保護したいならば、米国への
著作権登録という手段もあります。

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