知的財産権講座第32回:商標出願

知財検定2級実技試験の問題より商標権の出題です。

X社では、商標登録を受けることを前提として、新たに販売する予定の商品についての
ネーミングを検討している。
この場合、X社の行為または考えとして適切と考えられるか。

「販売予定の商品が「薬剤」である場合に、カタカナ文字の「スグレータ」を
商標として選択することにした。」

正解は、×

ここでは、商標はなぜ保護されなければならないのか?
商標の役割から考えてみます。

まず商品を販売する人の立場からすると、例えば自分の商品であるバッグは
長い間の信用と実績から他の商品と差別化できたとします。
商品名も顧客の間で有名になり、評判もよいです。

この商品名を他の人からマネをされたら、本来売れるべき商品の売上も減り
ます。

また、もし他の人が自分の商品名を勝手に使用して粗悪品を販売でもしたら
自分の信用が失われてしまいまし。

そこでこの商品名を商標として保護することで業務上の信用を保護すること
が必要となります。

・商標は他人の商品と区別する機能を持ちます。

商標の登録を受けるためには、自分の商品に他の商品と区別できる
「識別力」を有する商標であることが必要です。

薬品に、カタカナ文字の「スグレータ」を商標とすると品質がよいもの
を表すことになります。

このスグレータ」は、市場においては誰もが使うものと考えられ
「識別力」を有しないと考えられます。

この「識別力」を有しない例としては、バターという商品について
「北海道」とする場合があります。

新製品を開発しました。さて商品名を決めましょう。
できれば、商品名を商標として登録しておこう。
皆で、集まって商品名と商標を考えます。
いろいろなアイデア、名前が出ます。

ここで商標としてどんなものが登録されるのか知らない人は、例えば
この問題のようなものが良いと考える場合があります。

商標出願は、比較的簡単な書類作成でできます。
専門家を通さないで可能です。

しかし、商標として登録を受けられのか?
他に似たような商標はないのか?
出願前に十分に調査をする必要があります。
ここに専門家の出番があります。

登録されない無駄な商標出願をしないようにするためです。

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