知的財産権講座第323回:ほんとは怖いのか?TPPの「著作権」①

ほんとは怖いのか?TPPの「著作権」①

私は、時事ニュースは、ブログ記事に
あまり取り上げません。

評論家や専門家などが、十分に解説して
いるので、そちらにお任せするという
考えからです。

しかし、著作権の話題となると
話は別です。

TPPには、農業以外にも、「著作権」の項目があります

米国要求の3点セット

「著作権保護期間を70年に延長」

「著作権侵害の非親告罪化」

「法定賠償金制度」

米国は、ディズニーや映画など
エンターテインメントが
主要産業の一つですから、
自国に有利な要求をしてきますね。

私が中でも重大と思うのは、
「著作権侵害の非親告罪化」です。

わかりやすく言います。
漫画の作者と、著作権を例にします。

あなたは、有名な漫画のパロディを描いています。
これまでは、漫画の作者が、これは
私の漫画を勝手に使っている。

著作侵害だと訴えなければ、問題なし
で漫画のパロディ創作ができました。

今の著作権侵害は「親告罪」と言って、
検察官が起訴したくても単独ではできず、
作者さんに告訴の、お願いをする必要が
ありました。

つまり、作者が黙認している限り、
パロディ創作をやっても問題
なかったのです。

「非親告罪化」とは、著作権侵害した人を、
作者からの告訴が無くても、
検察官の独自判断で起訴できるという
ものです。

第三者の通報で、起訴できます。

漫画のパロディネタを書こうとする
人が減るんじゃないですかね
萎縮してしまうと思います。

著作権法の、目的である
「・・・文化の発展に寄与する」
に反すると思います。

また、大げさに言えば、
例えば「鉄腕アトム」が、パロディ化されて他の漫画
に登場したりします。

その漫画の絵が、よく似ていた場合に、これを
読んだ人が警察に通報する危険性があります。

手塚治プロが許諾しなければ、描いた漫画家」
が逮捕される可能性があります。

かなり怖い話かもしれません

しかしですよ
第三者が、これは漫画の著作権を
侵害してます と訴えるでしょうかね

自分の事業に不利益がある、ライバル
をつぶしたいとかの場合が考えられます。

日本では、裁判での争いを好まないので、
この手の著作権侵害訴訟は少ないと思います。

米国の要求通りに日本政府は受け入れる
と思います。

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