知的財産権講座第246回:米国での特許裁判の実例
米国での特許裁判の実例
我が社は、現在、外国で特許裁判で起こしています。
これは、機密中の機密です。
ここで、かっての米国での特許裁判の例
を、ふと思い出しました。
米国での米国では特許の裁判でも、陪審員が
審理します。
技術を知らないふつうの人が、判断するわけです。
「陪審員制」という映画がありましたね。
問題があるのでは と思われる判決が
出た例があります。
かってミノルタが、アメリカのハネウエル社
からカメラの特許を侵害していると訴えられ、
多額の支払いを命じられた判決がありました。
この際は、技術を知らない主婦や、肉屋さん
などによる陪審員の評決でした。
ハネウエル社側の弁護士は、陪審員に
対して以下のように主張しました。
日本は、真珠湾奇襲をする卑怯な国である。
特許も、侵害と知りつつ故意に侵害した。
というように、反日感情を煽ることで、
アメリカ企業に有利な評決を得ようと
しました。
そのせいかどうかはわかりませんが、
結論は、ミノルタの敗訴でした。
もしも技術とは関係の無いところで、評決が
決まったとしたら問題だと思いました。
1990年代の話で、日米貿易摩擦でアメリカで
反日感情が高まっていた時期です。
腕の良い弁護士は、しっかりとこれを
利用する手を用いたのではないかと
思います。
なお日本では、特許侵害訴訟は、
専門の知財高等裁判所で、
審理されます。