知的財産権講座第110回:著作者が持つ権利とは

著作者が持つ権利とは

 

著作権法の、これだけは知っておいた方が
よいポイントを紹介しています。

私が、社内で初心者向けの知的財産権
講座の講師をやった際に、
質問が多かった点、誤解されている人が
多かった点を紹介します。

著作者が持つ権利は、大きく分けて
2つあります。

例えば、小説を例にしましょう。

小説(著作物)は、作家(著作者)の感情
を表現した創作です。

①「著作者人格権」

作家の感情や人格を保護します。

②「著作者財産権」

作家の書いた小説が出版され本になり、
印税収入が入ったとします。
この内容を他人が無断に出版されたり
することを防ぎます。

今回は、著作者人格権について紹介します。

①著作者人格権

著作者人格権は、著作者の感情や気持ち
を保護するものです。

したがって、他人に譲ることはできません。
相続の対象とはなりません。
(一身専属性 著作権法59条)

では、作家が亡くなった後、他人は自由に
純文学小説を、ポルノ小説に書き換えて
しまうことが許されるでしょうか

作家が死亡した後も、生きていたとしたら、
著作者人格権を侵害するような行為は
許されません(著作権法60条)。

また、裸婦の絵画を、ピンクサロンのチラシに
画家に無断で使うということも
著作者人格権により禁止されます。

知的財産管理技能検定やビジネス著作権検定
でも、出題されるポイントです。

次回は、著作者人格権の内容について
紹介します。

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