相続手続きの流れその14(問い合わせへの回答)
単純承認となるケース、ならないケース?
相続手続きについて、以下の問い合わせをいただきました。
◆問い合わせ
母が先日亡くなりました。
息子のAさんは、母名義の預金を自由に下せたことをいいことに、
そのうち200万円を自分自身の生活費や旅行費用に使ってしまいました。
この場合、Aさんが相続財産を相続したことになる(単純承認)のでしょうか。
なお、亡き母の入院費用や葬式の費用にあてた場合はどうなりますか。
◆答え
この場合は、単純承認となります。
また、の入院費用や葬式の費用にあてた場合は単純承認となりません。
・財産を処分すれば単純承認になります
自分が相続人であると知っている人が、相続財産を処分してしまったら単純承認とみなされます。
たとえ相続財産の一部であっても、処分すれば単純承認とみなされます。
Aさんが自分自身の生活費や旅行費用に使った行為は、処分行為に当たります。
Aさんが相続人になったことを知っていたので、単純承認とみなされます。
・入院、葬式費用は例外
亡くなった人の入院費用や葬式の費用にあてた場合は、単純承認となりません。
なぜならば、もしその人が生きていれば入院費用は亡くなった人が払うべきものだからです。
すなわち亡くなった人の未払金だからです。
また葬式の費用は、相続財産についての費用というべきものだからです。
・形見分けした場合
相続前に形見分けしてしまった場合は、単純承認には当たらないとするのが一般的な考え方です。
この形見分けは、慣習上認められる範囲内のものとされています。
単純承認に当たるかどうかは相続財産の多少や種類などを全体的にみて処分かどうかを判断すべきです。
少額の処分まで単純承認に当たるとういうのは妥当でないと思われます。